先日開催された第27回日本不整脈学会のCDRセッションでも“
心室センシングエピソードの有用性”に関して報告がありました
心室センシングエピソード(VSE)とは、連続した心室センシングイベントを検出及び保存する機能であり、
心臓再同期療法(Cardiac Resynchronization Therapy)において両室Pacingを阻害する要因を特定する事が出来ます(特定に至らない場合もあり得ますが...)
CRTは、両心室をPacingする事で心室収縮の同期性を改善する事が目的です
つまり、心室Pacing率は100%により近い事が望まれ、90%を下回る心室Pacing率は後の心不全入院の予測因子の一つとも言われています
では、実際の臨床でVSEの要因は何が考えられるのか?という事ですがモードがDDDの場合は以下の4つが挙げられます。モードがVVIの時は②及び③が要因となり得ます。
①長すぎるAV-delay設定
②VT検出基準を満たさないRateの遅いSlow VTや非持続性VT
③AT/Af等の上室性不整脈
④Atrial Sensing Failure
Medtronic社製CRT-DのVSE検出基準は心室センシング(VS)が10beat以上、1テレメトリにつき8Episodeまで記録を残す事が可能です
VESではEGMは記録としては残らず、マーカーしか記録されないのですが、マーカーのみでも十分にその原因を特定する事が可能です
最も一般的に考えられる原因は①の設定AV-delayが長すぎるが故に、心室Pacingが入る前に自己QRS波が出現してしまう場合なのですが、実際の臨床でこれが要因となる場合はほとんどないと思います。これが原因だとすれば設定そののもに問題がある事になりますので...
rapid AfやAtrial Sensing failureでも心室センシングエピソードの要因となり得ますしが、一番注意すべきはやはり②の
VT検出基準を満たさないRateの遅いSlow VTや非持続性VTを見逃さない事だと思います
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- 2012/07/10(火) 05:33:53|
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いつも勉強になります 頑張ってください
- 2012/07/21(土) 15:36:30 |
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