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臨床工学技士blog

臨床工学技士である管理者が、知識の整理も兼ねてですが、主に臨床工学に関する情報をアップしていきたいと思っています。

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Ventricular Safety Pacing


本日はVentricular Safety Pacing(以下VSP)についてまとめてみます

その前に...VSPを理解する前にいくつか知っておくべきpointがあります

まず、Dual chamber Pacemaker(Leadが心房と心室にそれぞれ留置されているタイプ)の場合、一方のPacing刺激を他方の電極で感知してしまうことがあり、この現象をcross talkといいます。

例えば、心房Pacing(以下AP) Spikeを、心室Leadで感知してしまった場合、Pacemakerは心室が自己収縮したと誤認識してしまい心室Pacing(以下VP)を出すのをやめてしまいます

心室の自己収縮がない患者さんの場合、心停止に陥る危険性がありますね

これでは困りますので、Pacemakerにはcross talkを防止する為の設定がいくつか設けられています

まず1つ目、Post Atrial Ventricular Blanking(以下PAVB)

cross talkで困るのは、APの刺激を心室Leadで感知してしまった場合ですよね?
ですからAPと同時に心室Leadで全く感知できない期間(PAVB)を設けます
pointはPAVBはAS後には設けられておらず、AP後のみに設けられているとう事です
PABV設定はメーカーにより異なります(MedtronicのAdaptaではnominalで28msec)がおおよそ10~60msec程度で設定可能だそうです

さて、これで安心でしょうか??

AP後、10~60msecのPAVB経過後から設定AVI間にcross talk以外の何らかの電位を心室電極で感知してしまうと、Pacemakerは心室が自己収縮したと誤認識してしまいVPを出すのをやめてしまいます

そうなると、またもや心停止になる危険性が出てきますね...

これを回避する為に設けられている機能こそが今回お話するVSPなのです

AP後、100~110msec程度のVSPW(Ventricular Safety Pacing Window)内において何らかの電位を心室電極で感知すると、無条件にVSPW(APから100~110msec)経過後にVP(⇒VSP)を行います

ここで2つ目のpoint、このVSPには以下の“2つの役割”があります
①心室以外の何らかの電位を感知した場合...
APからVSPW経過後にVSPが行われるので、自己心室収縮がない場合でも、心停止防止となり安全が保たれます
これは今まで説明してきた内容からも理解して頂けるものと思います
VSPの重要な役割の1つです

ですが...VSPには実はもう一つ別の役割があります

②感知した電位が本当の自己QRSであった場合...

要するにAPが出るタイミングとほぼ同時に心室期外収縮(Premature Venticular Contraction)が出てしまった場合です
この場合、もし設定されたAVI後にVPを出してしまうと、VP on T(俗に言うR on Tのようなもの)となってしまい心室細動を起こす可能性があり、非常に危険ですね

ですので設定AVIを待つことなく、VSPW経過後の心室完全不応期のタイミングでVPをうってあげることでこれを防止する事が出来ます。VPを出すタイミングを手前にずらす事で、自己心室収縮があったとしても、心室不応期内Pacingとして、心室細動移行の危険性がないようにするのです

某セミナーより頂いたスライドを掲載します
蜀咏悄+12-01-09+13+40+04_convert_20120115095304
Dual chamber pacemaker、スライド1拍目はAP-VPでうっています
2拍目は一見するとAP-VPでうっているように見えますが...設定AVIを待たずにVPが入っていますね?
2拍目をよく見てみると、APとほぼ同じタイミングでPVCが出ているのが分かります
これはAP後、PAVB~VSPW間に心室電極でPCVの電位を感知した為、VSPW経過後にVSPをうっていると言えます

1拍目と同じく設定AVI後にVPを出してしまうとT-wave上にVPが重なってしまいます
Spike on T-waveから心室細動移行を防止する為に設定AVIを待つことなくVPをうっているのです
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  1. 2012/01/15(日) 10:05:53|
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