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臨床工学技士blog

臨床工学技士である管理者が、知識の整理も兼ねてですが、主に臨床工学に関する情報をアップしていきたいと思っています。

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ペースメーカ心電図


2009年のJADIA(不整脈デバイス工業会)の調査によると、徐脈治療用ペースメーカは日本国内において約58,000台植込まれているそうです

当院でも年間約70件のペースメーカ等のデバイス植え込みが実施されております

また、これらのデバイスは植え込み手術が終了したらか何もしなくていい...という訳にはいかず、患者の一生涯に亘って定期follow-upを実施しなければいけません

当院では毎週木曜日の午後をペースメーカ(ICD,CRT-D/P等含)外来として設けており、我々臨床工学技士がペースメーカプログラマーを使用して毎回20人前後のデバイス植え込み患者の定期follow-upを実施しております

適切なfollow-upを行うには、各メーカーのProgramerの操作に熟知しParamaterを理解する事はもちろんですが、患者より得られた心電図を判読しペースメーカの作動状況を適格に判断する事が要求されます

我々Co-medicalが臨床で“ペースメーカ心電図”に遭遇する機会は年々増加してきており、通常の心電図だけではなく、ペースメーカ心電図の理解も避けては通れない現状にあると思います

ペースメーカ心電図を把握する上で知っておくべき事として...

まず基本的な事になりますが、ペースメーカ患者の心電図を判読するには“現在のペースメーカ設定を確認する”ことが大原則です

ペースメーカ手帳を見ればこれらの情報が記載されています(万が一手帳を持ち合わせていない場合であっても姑息な手段でペースメーカの情報をある程度確認する事も可能ですが...)

如何せん“どのような設定条件で作動しているのか”を知らなければ、ペースメーカが適切に作動しているか否かの判断は不可能です

最も最近の植込みデバイスは様々な新機能が搭載されておりますので、設定を確認しても理解するのが困難な“予期せぬ心電図”と遭遇する事も少なくありません

今回は昨年某セミナーで教わった、特殊設定及び一定条件下でRateが変化するCaseをいくつか紹介します

1.P波に同期していないように見え、Reteも変化する(DDD動作時)

⇒DDDモードでは心室のPacing RateはUpper Rateで制限される
⇒P波のRateがこのUpper Rateを超えた場合、心室のPacing RateはP波に段々“追いつかなくなる”
⇒Pseude Wenchebach


2.Spikeが2本出てRateが若干遅くなる

Auto Capture機能が作動している
⇒最小のMarginでPacingを行い、一拍毎にPacingされている
⇒Captureされない場合、約100ms後にBack-up Safety Pulseが出る
⇒この“100ms”の分だけRateが変化する(遅くなる)場合がある


3.モニター上でRateが頻繁に上下する
⇒A=Aのタイミングは同じだが、V=Vのタイミングが異なる為モニター上ではRateが変化する
⇒ペースメーカの種類によりこのタイミングの取り方は異なるので注意する
⇒最近のペースメーカーは、DDDの場合はA=Aカウンターといって、心房のイベントを起点にするものがほとんど

4.自己脈の後にRateが遅くなる
Hysteresis機能が作動している
⇒自己脈の後だけPacing intervalを設定分だけ延ばす機能が作動している


5.P波に同期していないように見える(DDD)

Mode Switch機能
⇒異常に速いP波を検出すると一時的にP波に同期しない様にする機能(DDI or VVIに自動変化する)
⇒P波が正常に戻ったと判断されると元のDDDに戻る
⇒デバイスの種類により若干動作は異なる

上記で紹介したCaseはペースメーカの作動異常ではなく、あくまで正常作動です

私がペースメーカ心電図を判読する際は、設定を確認した上で“ペースメーカは正常に作動している”と仮定します

そして正常作動していると仮定した場合に、どうしても説明できない...という場合のみこの心電図はペースメーカの作動異常であると判断するようにしています



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  1. 2012/01/02(月) 08:52:14|
  2. 植込みデバイス関連
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