ここ最近人工呼吸の“
臨床”から少し離れてしまっているので数年前に流行った話題になります
最近はどうなのか知りませんが、一時期“
人工呼吸器シュミレーター”なるものが流行っていました
代表的なものと言えば
Dragerの
Simulatorです
以前はDragerのサイトから簡単にダウンロードする事が出来ましたが今も出来るのでしょうか?...
http://www.draeger.us/Pages/Hospital/Welcome.aspxハミルトンのSumilatorも私は所持していますが、こちらもネット上でダウンロード可能かもしれませんね
http://www.hamilton-medical.com/g5/ちなみにこんな感じです


Servo-iやBP-840のSumilatorも数年前はなかったのですが最近はどうなのでしょうかね?
さて、代表的なDragerのSumilatorですがPC上で様々な患者状態を模擬する事が可能で、その病態に対してどうやってアプローチしていけばいいのか?
設定をどう変更していけばいいのか?スタッフ同士でDiscussionして人工呼吸器の設定を施す事が出来てしまう優れた教育ツールです
模擬可能な患者状態ですが、以下の4種類になります
①Normal ②COPD ③Asthma ④ARDS
各々の病態に対して、ResistanceであったりComplaianceであったり呼吸回数、自発分時換気量何かも任意に設定可能です
例えば、
Asthmaの患者さんに対してどうアプローチしていくのか?Discussionしたとします

Asthmaは呼気に非常に長い時間を要する病態ですので、どう設定を変えていくのがBetterなのか、あるいはどの様な処置を施すのがBetterなのか?
Ventilator Graphicsのflow waveから呼気が終了する前に次の吸気に転じているのは明らかであり、intinsic PEEPがかかっている...どうアプローチしていくのか?
⇒呼気時間をしっかり確保する目的で呼吸回数を下げる、吸気時間を短くする
⇒Auto PEEP、intrinsic PEEPを相殺する目的でPEEPを上げる
⇒気管支拡張剤を投与する...他にもいろいろなアプローチの方法があります
あるいは、
ARDSに対してどうアプローチしていくのか?

ARDSで酸素化が非常に悪い、modeはどうするのか?
⇒APRVにしましょう
じゃあAPRVでP.High、T.highの設定はどうするのか?
⇒SPO2を診て酸素化が落ち止まるpointまでP.highを上げましょう、T.highは6秒程度で開始しましょう。呼吸回数は10回/分程度でいいでしょう。
T.lowの設定は非常に重要なpointだが何を診てT.lowを決定するのか?
⇒呼気flow waveを診て呼気peak flowの50~75%になったpointで吸気に転する様T.lowを決定しましょう
intrinsic PEEPはしっかり確保されているかの判断は何を診るのか?
⇒Pressure wave formを常に表示させておく事が重要です、Pressure wave formを診て判断しましょう
Weaning(Drop & Stretch)はどの様にアプローチしていくのか?
一日に何センチ圧を下げていくのか?
一度圧を下げたら何時間様子を診るのか?等など...いろいろDiscussion出来ますね
これを“
看護師や医師の教育のツールとして使用して、実際の臨床に活かす事”は十分可能だと思いますし、実際にそのような教育ツールとして使用している施設もあるかと思います
残念ながら当院はそこまで至っていませんが...
時間がある時にいろいろやってみると面白いですよ
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- 2011/12/30(金) 18:15:40|
- 人工呼吸療法
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