臨床工学技士blog

臨床工学技士である管理者が、知識の整理も兼ねてですが、主に臨床工学に関する情報をアップしていきたいと思っています。

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S-ICD


S-ICDシステムについて

S-ICDシステムは完全な皮下植え込み型であり、“心臓内にリードを留置する必要がない”という点で、独自のものです。 S-ICDシステムは本質的に、経静脈リードと関連する主要なリスクを排除します。S-ICDシステムは心室性不整脈が原因の高い加速性・無秩序性を持つ心調律で、突発性心停止をもたらす危険のあるものを検知します。異常な不整脈が検知された場合、S-ICDシステムは80ジュールのショックを与えて心臓の正常な調律を回復させます。これらの無秩序心調律は放置すれば、多くの場合、致命的となります。


http://www.cameronhealth.com/

<利点>
①血管の中にLeadが残らない
②心臓の中にLeadがないので常に心拍動にさらされる事がなく故にLead断線も少ない

<欠点>
①常時のBrady Pacing機能がない(post ShockのBack up Pacing機能はあるがかなりの痛みを伴う...)
②植込み時は内科のみでいいのか...外科のSupportが必要ではないのか?

Pacing適応のないICD適応患者(Brugada症候群、特発性心室細動)の90%以上は今後Lead less ICD systemに移行していく事だろう

DFT試験⇒MAX80Jの出力が可能で、65Jで89.5%が除細動に成功した
従来のICD(10J Marginで90.8%)とあまり大差ない結果である

平均217日のfollow-up期間において、T-wave over sensingは認められた症例があったものの特に大きな合併症は発生していない
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  1. 2012/11/18(日) 23:19:19|
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AMS過作動とFFRW


①AMS Entry Epispde
DSC00378[1]_convert_20121118110413
②AMS Entry Epispde
DSC00379[1]_convert_20121118110506
両者ともAMS Entry時に記録された同患者のEGM(上段がA Bipolar 下段がV Bipolar)ですが、さて何か違いはあるでしょうか?

A-BipolarのEGMに注目して下さい。
①のA-EGMをよく見ると、sharpな心房電位の後ろにdullな電位(FFRW)がありますね?
最初の数beatはPVABもしくは心房感度設定によってFFRWをなんとかかわしていますが、AMS detecionの3beat前からこのFFRWのover sensingが認められAMSが過作動しています。FFRWを精査してPVABもしくは心房感度設定を再考する必要があります。FFRWは“電位”や“タイミング”の差はあれ、全ての患者に認めらるものですのでPVABや心房感度調整でしっかりmaskしないといけないですね。

②のEGMはどうでしょうか?
A-EGMをよく見ると、①同様にsharpな心房電位の後ろにdullな電位(FFRW)がありますね。
はたしてそれだけでしょうか...?
よくよく見ると、FFRWの後半成分にsharpな心房電位が混在しているのがお分かり頂けるかと思います。
これはFFRW over sensingによるAMSの過作動ではなくATによるAMSの適正作動だと判断出来ます。

これはSJM社のPacemakerなのですが、植込みdevice業務に携わる我々臨床工学技士はAMS作動のアルゴリズムを知っておく必要がありますので少し詳しく説明します。

AT/AFになればAMSが作動する...なんていうのは誰でも知っている事であって、“どういうアルゴリズムでAMSが作動するのか”を知った上でfollow upを行う必要性があると私は思います(あくはで個人的な意見ですのであしからず...)

同じように閾値を測定して、波高値を測定して...なんていうのはある程度数をこなせば別に誰でも出来る事であって、我々臨床工学技士がfollow-upに関わっている意味合いは例えば上記に記した問題(FFRW over sensingによるAMSの過作動)が生じた場合に、何が起きていて、原因は何で、じゃあ設定をどう変更したら対応できるのか?を考える事にあると私は思います。

同じようにPacemaker トラブル心電図の解析時に正常動作なのか異常動作なのか?正常・異常と判断した根拠は何か?もし異常動作であった場合、何か解決方法はあるのか?...といった事を考える事に我々がこの業務に関わっている存在意義があると思っています。

そう考えた場合に、やはりある程度詳しいアルゴリズムを知っていなければ正常なのか異常なのかさえも判断できません。

SJM社のAMS作動のアルゴリズムですが、FARI(Filtered Atrial Rate Interval)=ファリと呼ばれる心房移動平均Rate intervalをbeat by beatで計算しています。

FARIがATDR(心房頻拍検出Rate)を超えるとAMSが作動するという仕組みです。

要はP-P intervalをbeat by beatで常時監視しており1beat前のFARI(それまでのP-P intervalの移動平均)と現在のP-P intervalを比較して

FARI値>現在のP-P interval⇒新FARI=FARI-39msec
FARI値<現在のP-P interval⇒新FARI=FARI+23msec


という計算をしており、ATDR=170bpmであった場合は新FARI<352msecとなった場合にAMSが作動するという仕組みです。FARIの増減を見てみると-39msecと+23msec...つまりAMSはAT/AFになった場合にある程度早い段階で作動する、AT/AFがterminationしても少しはDDIで作動する、すぐにはDDDに戻らない、おちていくのには時間がかかると言えますね。と同時にAT/AFになってもすぐにAMSは作動する訳ではない、多少様子を見ているとも言えます。でないとPACに過剰反応してころころmodeが切り替わってしまいますしね。

AT/AFがterminationしてDDI→DDDに移行する条件はFARIがMTRもしくはMSRよりも遅く(intervalで言えば長く)なった場合です。

FARIを用いる事でPACに対して過剰に反応することなく、しかもPafに対して速やかに非同期modeへの移行が可能となります。また、波高の低いf波に対し、数発のunder senseが起きても非同期modeを継続するのです。


  1. 2012/11/18(日) 11:07:35|
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PMX-DHP


前回の記事の続きです
今回は侵襲時の生体反応によってもたらされる“敗血症性ショック”はどうやって治療するのでしょう?といった部分のお話になります。

敗血症性ショックの治療戦略は“Surviving Sepsis Campaign Guideline”にのっとって治療方法を考えていけばいいのです。

敗血症性ショックの時にまず行うべき事は何か?それはもちろん火元対策です。感染源はどこにあるのか、火元を徹底的に調べて火を消す為の治療(抗生剤、手術etc...)を開始します。これが基本です。

さらに気道確保・呼吸管理及びしっかりとした循環管理(十分な輸液、カテコラミン、輸血etc...)を行う事が非常に重要だと言えます。

十分な輸液”がなぜ重要なのか?
血管内Hypoの状態では感染源に行く為の抗生剤や血球成分がうまく辿り着く事が出来ません。
細い路地を大型車は通り抜ける事が出来ないのと同じイメージです。道が狭ければ通れません。
血管内に十分水を入れ、感染源に対して十分な治療が行えるだけの輸液をする事が重要だと言えます。
敗血症性ショックと診断を下してから、6時間以内(Early Goal-Directed Therapy)にこれらの治療をある程度完結させる必要があります

なぜ6時間以内なのか?
ぐずぐずしていると火元が拡がって燃えてなくなってしまう為です。12時間、24時間ダラダラ火元対策をしていては人間の体が燃えてなくなります。早ければ早い方が良いのです。

前置きが長くなりましたが、ここからが本題である“エンドトキシン吸着療法(PMX-DHP)”の話に入っていきたいと思います。PMX-DHPは火元であるエンドトキシン(グラム陰性桿菌の細胞膜を形作る物質)を吸着します。さらに様々な研究の結果、エンドトキシンだけでなく内因性大麻をも吸着する事が判明しています。

PMXはサイトカインやHMGB-1を直接吸着する訳ではありません。
が、しかしPMX-DHP前後でサイトカインは低下する事が証明されています。それはなぜか?
生体反応の上流であるエンドトキシンや内因性大麻を抑える事で野次馬であるサイトカインを抑える事が可能なのです。そして結果的に死のメディエーターであるHMGB-1も低下させる事が可能なのです。

内因性大麻は情報伝達としての役割以外にショックを起こす物質でもあります。PMX-DHPではショックを起こす物質を直接吸着するので循環動態、血行動態は改善します。

さらには肺障害、呼吸障害を起こすとされているHMGB-1を抑制することで肺酸素化能も改善させます。
但し、重要なPointがある事を忘れてはいけません。
敗血症性ショックと診断してからPMX-DHP導入までの時間が長ければ長いほど、生存率は低下します。敗血症性ショックの治療はまさに時間との勝負なのです。

PMX-DHPを施行していて個人的に気になるPointをいくつか...
①長時間PMX-DHPに関して
⇒PMX-DHP2時間施行では循環動態及び呼吸が安定しない場合に適応とされる
⇒1本のカラムの連続使用は最大24時間までとする(24時間までは安全性が担保されている)

②長時間PMXに伴う血小板数減少に関して
⇒PMX-DHPに限らず、血液浄化療法はカラムとの接触により,血小板の減少は避けて通れない.血小板の減少は施行時間に左右されるし,吸着療法では血小板の吸着も生じる為、減少度合いも大きくなる。
但し、出血傾向に関しては凝固因子の影響も考慮しなければならず,血小板減少=出血とはなり得ない。

③多臓器不全に対するPMMA-CHDFはPMX-DHPの代替となり得るのか
⇒結論をまず述べると、代替とはなり得ない。PMMA-CHDFは確かにサイトカインを吸着するが問題はその速度。3日くらい経てようやく改善がみられる訳であるがこれでは遅すぎる...6時間以内に循環を立ち上げないと火元が全身に拡がって身体は燃えてなくなってしまう...臨床的な有効性を獲得するだけのクリアランスはPMMA-CHDFでは得られない。

④グラム陽性菌に対してもPMX-DHPは有効なのか
⇒グラム陽性菌であっても内因性大麻は放出されるのでPMX-DHP施行によって循環を立ち上げる事は可能。但し、火元対策は難しいのでグラム陰性菌程の有用性はないとされている。

⑤CHDFと併用する場合は直列と並列、どちらが適しているのか?
⇒経験上、並列の方が望ましいと思われる。
直列では手前のPMXのカラムが凝固してしまった場合、Bypass回路を経由してCHDFのみ継続しようとしても時すでに遅し。hemofilterも凝固してしまっている場合が多々ある(あくまで私の経験上)。手前で2系統に分離させてPMX及びhemofilterを通過させてから再び合流させ体内に戻すほうが回路寿命も長いのではないか...

⑥間質性肺炎に対するPMX-DHPのエビデンスは存在するのか
⇒間質性肺炎に対するPMX-DHPの有効性に関するエビデンスはない。
間質性肺炎でPMXにより酸素化が改善する作用機序も不明。
PMXの有効性機序からは説明し得ないのが現状である。
  1. 2012/09/17(月) 08:01:54|
  2. 救急・集中治療関連
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敗血症性ショックの病態


我々臨床工学技士や看護師が急性血液浄化療法に携わっていく上で避けては通れない“敗血症性ショック”の病態生理について分かり易く以下に解説します。

SIRS(Sytemic Inflammatory Response Syndrome)って何?
⇒全身性炎症反応症候群、要するに人間の体に侵襲(感染etc...)が起こりましたよ~という事を証明するものであり、以下の4つの項目のうち2つ以上を満たす場合に診断できます。

じゃあその4つって何なの?
簡単に言えば呼吸がハアハアするか、心臓がドキドキするか、体温が上がるか下がるか、白血球が上がるか下がるか...皆さん20キロくらいランニングした直後は呼吸がハアハアいって心臓がドキドキしてSIRSになっていますよね?じゃあ具体的な数値を以下に示します。

1)呼吸数>20回/分以上 or PaCO2<32mmHg
2)脈拍数>90回/分以上
3)体温>38度 or <36度
4)白血球数>12,000/μl or <4,000/μl以下 or (10%以上の幼若球出現)

SIRSの原因は敗血症であったり外傷であったり腹腔内感染症であったり...とにかく人間の体に侵襲が加わるものであれば何でもいいのです。そして敗血症が原因のSIRSがSepsisなんですよ~という事です。感染が原因でSIRSになっている人をSepsisと呼びましょうという事が世界的に決まっているのでこれは覚えておく必要があります。

ですので敗血症性ショックとは“感染が原因となるSISR”という事ですね

人間の体に侵襲が加わるといろいろな組織が破壊されてその組織が“サイトカイン”という情報伝達物質を外に放り投げて好中球を含めたいろいろな血球が活性化して生体防御に働いたり、あるいは重要臓器である心臓・腎臓・肝臓・肺etcに好中球が集まって生体防御に働きます。しかしながら侵襲がず~っと持続すれば体の中に集まった好中球は外への攻撃だけではなくて刺激が強すぎて自分の体をも攻撃し始めます。これがMOF(Multiple Organ Failure)、多臓器不全のきっかけです。

多臓器不全のきっかけは自分の体の中にいた好中球があまりにも刺激が強すぎて、あるいは持続が長すぎて外だけではなく自分の体も臓器も攻撃してしまう...これが多臓器不全であり腎障害、肝障害、肺障害を起こす原因です。

これをさらに細胞レベルで見ていくと一体どんな反応が起こっておるのでしょうか?

細胞に感染が起こるとまず細胞の膜から脂質メディエーターである“内因性大麻”というものが“秒単位”で飛び出します。内因性大麻というのは人間の体を侵襲から守る方向に働きます。麻薬ですので侵襲が加わった時のしんどさに対して“それはしんどくないんだよ、頑張れよ~”という指示を出します。

ところが、刺激が強すぎると今度は負の方向に働きます。内因性大麻はショックを起こします。敗血症性ショック、感染が加わって血圧が下がる原因は内因性大麻にあります。感染もろもろが起きて血圧が低下するのはよく耳にするサイトカインの影響ではなく内因性大麻の放出が原因だという事です。また内因性大麻はサイトカインと同様に情報伝達作用もあるので“ここの臓器に感染が起きてますよ”という情報をいろいろな組織に伝達します。この情報伝達をするという役割が一番大きな役目でもあります。

そして“数分から数時間”経つと今度は核の中からサイトカインをはじめとした新たな蛋白質が合成され始めます。
ですのでサイトカインというのは感染・侵襲が起きてから数秒あるいは数分で飛び出すものではなくて感染がおきて核の中に刺激が伝わってから核の中で一生懸命蛋白を合成する過程を経て数時間かかってようやく出てくるもの、これがサイトカインです。サイトカインは好中球の活性化を司るので、熱を出したり臓器障害などの生体反応を引き起こします。

最終的に6~8時間ずっっと侵襲が持続すると人間の体が保たれなくなって、好中球がバンバン自分の体を攻撃して細胞が破壊されます。そうすると核の中から死を司るデスメディエーターである“HMGB-1”が飛び出します。このHMGB-1は“肺障害も引き起こす”とされています。

要するに感染が起きてから秒単位で飛び出してくるメディエーター(内因性大麻)があるんだよ。時間単位で飛び出してくるメディエーター(サイトカイン)があるんだよ。最終的に核の中からポ~ンっと放り出されて人間の体を死に導くメディエーター(HMGB-1)があるんだよ...という事です。この時間軸を理解して下さい。
  1. 2012/09/09(日) 10:27:39|
  2. 救急・集中治療関連
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心室センシングエピソード


先日開催された第27回日本不整脈学会のCDRセッションでも“心室センシングエピソードの有用性”に関して報告がありました

心室センシングエピソード(VSE)とは、連続した心室センシングイベントを検出及び保存する機能であり、心臓再同期療法(Cardiac Resynchronization Therapy)において両室Pacingを阻害する要因を特定する事が出来ます(特定に至らない場合もあり得ますが...)

CRTは、両心室をPacingする事で心室収縮の同期性を改善する事が目的です

つまり、心室Pacing率は100%により近い事が望まれ、90%を下回る心室Pacing率は後の心不全入院の予測因子の一つとも言われています

では、実際の臨床でVSEの要因は何が考えられるのか?という事ですがモードがDDDの場合は以下の4つが挙げられます。モードがVVIの時は②及び③が要因となり得ます。

①長すぎるAV-delay設定
②VT検出基準を満たさないRateの遅いSlow VTや非持続性VT
③AT/Af等の上室性不整脈
④Atrial Sensing Failure

Medtronic社製CRT-DのVSE検出基準は心室センシング(VS)が10beat以上、1テレメトリにつき8Episodeまで記録を残す事が可能です

VESではEGMは記録としては残らず、マーカーしか記録されないのですが、マーカーのみでも十分にその原因を特定する事が可能です

最も一般的に考えられる原因は①の設定AV-delayが長すぎるが故に、心室Pacingが入る前に自己QRS波が出現してしまう場合なのですが、実際の臨床でこれが要因となる場合はほとんどないと思います。これが原因だとすれば設定そののもに問題がある事になりますので...

rapid AfやAtrial Sensing failureでも心室センシングエピソードの要因となり得ますしが、一番注意すべきはやはり②のVT検出基準を満たさないRateの遅いSlow VTや非持続性VTを見逃さない事だと思います


  1. 2012/07/10(火) 05:33:53|
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